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今日のご依頼は留守番。
留守番って何をしたらいいの?
実はこのお宅のおばあちゃん、認知症なのです。
いつもご依頼頂いているお客様のお宅なのですが、いつも奥さんと
おばあちゃんが家にいます。おばあちゃんのごはんの用意や家事は
当たり前なのですが、その他におばあちゃんが知らないうちに家から
出て行っちゃうのを見張っているのです。
見張っているというと、なんか嫌な感じがしますが、変な意味ではなく
おばあちゃんが徘徊しないよう、見ているのです。
一緒にいるのに、掃除機を掛けているうちに姿が見えなくなってしまう
とか、洗濯物を干していると、前の道を歩いていたり・・・
別にじっといていろというのではないのですが、せめて声を掛けて
欲しい、散歩なら一緒に行くからという気持ちなのです。
足も弱っているので、何度も転んで骨折したり擦りむいたり･･･
足が弱っていることも認知していないので、ふらっと出て行って
しまいます。道路を一人で渡ったり、お金も持たずにお店に入って
行ったり。家族はヒヤヒヤしています。
でも、施設に入れたりするのは手があるうちはしないと決めているのだ
そうで、いつも奥さんと一緒にいます。
でも今日はどうしても奥さんが出掛ける用事があるのに、家族の都合も付かず、いつも来てくれるヘルパーさんも風で休み。知らない人が来ると、
けんかになってしまうので、私が依頼されました。
私はおばあちゃんとは顔なじみ。いつも仕事が終わると一緒にお茶を
頂きます。たまにトンチンカンな会話をすることもあるけど、楽しく
会話できる人の一人だと言われ、嬉しくもあり、責任もあり・・・
でも、引き受けさせて頂きました。

おばあちゃんは、私にいろいろなことを話しかけてきました。
「何であんたはここにいるの?」
この質問は来ると思っていた質問なので
「奥さん、待っているんだよ」と。
「あの子、どこかに出かけたのかねぇ」なんて。
多分、嫌というほど説明してから出かけたと思うけど。
「あんたはどこの人?」
顔は知っていても、はっきりわからないって感じなのかなぁ
この間、草むしりに来たでしょ。覚えてる?
「あ～、覚えてるよ」
忘れているとは思うけど、話を合わせてくるなぁ
「あんた、おなか空いてない?」
空いてないよ
「この辺にせんべいがあったから、一緒に食べよう」
お茶を入れようとするから、
「いいよ、たまには俺がやるから・・・」
「悪いねぇ～」
お茶を入れて、ばあちゃんと一緒にせんべい食べながら、
時代劇テレビを見ている。
「この人知っているよ」とか、
「昔はこの人、凄い人気があったんだよね」とか、
「じいちゃんがこの人と似ていたんだよ」とか。
結構、おばあちゃんワールドに入ってきた。
時代劇を続けて2つ見終わった頃、奥さんのお帰り。
「すみません、遅くなって。大丈夫でした?」
おばあちゃんと顔を見合わせ、何が大丈夫なの・・・
「楽しかったです。勝手にお茶とおせんべい、頂きました」
おばあちゃんと、昔話したり、テレビ見たりしてましたというと、
奥さんビックリ。
おばあちゃん、出掛けようとしなかった?
ぜんぜん
怒らなかった?
ぜんぜん

いつも、知らない人がいると、怒ったり出掛けようとしたりして
大変なのだそうです。
今日はうまくいったんじゃないですか?
また、お出掛けの際は連絡ください。
いつでも伺いますよ。
「じゃ～、ばあちゃん、またね」