【家具の移動】二つの体と一つの時間
午前10時、いつものように軽トラックに乗り込む。今日の仕事は、近所のマンションへの家具の移動だ。
依頼主は、ご夫婦で、新しい家具に買い替えたため、
古いソファを部屋から出してほしいとのこと。
「あの~、ソファ、結構重たいんですよ…」
電話での依頼主の声が耳に焼きついている。
現場に到着し、エレベーターに乗り込み、依頼主の部屋へ。
部屋に入ると、そこには予想通りの大きさのソファが鎮座していた。
「こちらですね。手伝いますので、まずは搬出口まで運びましょう」
そう告げ、相棒と二人でソファに手をかけた。
予想通り、ずっしりと重く、一歩一歩慎重に廊下を進む。
「ちょっと休憩しましょうか」
相棒が提案し、ソファの前に立ち止まる。
額に汗が滲み、息が荒くなっている。
「この仕事、体力使うよね」
相棒が苦笑いを浮かべる。
「でも、人の役に立ててるって感じがして、やっぱり楽しいよ」
そう答えると、相棒も大きく頷いた。
再びソファを持ち上げ、部屋から運び出す。
マンションの廊下は思ったよりも狭く、何度も角度を変えながら慎重にソファを移動させる。
「あと少しだ!」
相棒の声が響く。
最後の階段を下り、軽トラックの荷台にソファを載せたときには、
二人とも息切れしていた。
「お疲れ様!」
「こちらこそ!」
互いに声を掛け合い、達成感に包まれる。
依頼主から感謝の言葉をいただき、次の仕事へと向かう。
今日の仕事を通して、改めて便利屋の仕事の多様性を感じた。
家具の移動一つとっても、その大きさや形状、搬出経路など、毎回違う。
その都度、状況に合わせて最適な方法を考え、体を使って作業する。
体力的なきつさもあるが、その分、達成感も大きい。
そして、人との出会いもこの仕事の醍醐味の一つだ。
便利屋という仕事は、単に物を運んだり、掃除をしたりするだけではない。
人々の生活をサポートし、笑顔を生み出す仕事なのだと実感する。
夕暮れ時、軽トラックを運転しながら、今日の出来事を思い返す。
二つの体と一つの時間。
相棒と力を合わせ、一つの仕事を成し遂げた。
その瞬間、私たちは特別な一体感を覚えた。
便利屋という仕事は、決して華やかではないかもしれない。
しかし、そこには、人々の暮らしを支えるという、大きなやりがいがある。
これからも、様々な依頼に応え、人々の役に立ちたい。そう心に誓いながら、私はハンドルを握りしめた。
2024/11/30
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