【代理出席】
夕方、冷たい空気が肌を刺すような中、私は朝霞市へと向かいました。本日の依頼は葬儀への代理出席。
喪服を着用し、依頼主様の代わりに故人へ弔意を表する役目を担います。
葬儀という場の重要性を理解し、丁寧な対応を心がけて臨みました。
現地に到着すると、会場はすでに多くの参列者で賑わっていました。
黒一色の装いをまとった人々が静かに集まり、故人との最後の別れを惜しんでいる様子が伺えます。
ご依頼主様からは事前に、香典の用意とお悔やみの言葉を預かっており、それらをしっかり心に刻みながら行動します。
受付で香典を手渡し、記帳を済ませると、控えめな態度で会場内へと進みました。
広い会場には故人の写真とともに、美しく飾られた花々が並び、静謐な空気が漂っています。
故人の顔を知るわけではありませんが、遺族や参列者の悲しみが強く伝わり、胸が締め付けられるような思いでした。
式は静かに進行していきました。
司会者が故人の生涯を語る声が会場に響き渡り、その中で遺族の方々が涙をぬぐう姿が目に入ります。
私は一つ一つの言葉に耳を傾けながら、依頼主様の代わりとして故人を偲ぶ心を込めて合掌しました。
式の後、焼香の順番が回ってきました。
他の参列者に倣い、静かに列を進み、祭壇の前で一礼。
遺族の方に対しても深々とお辞儀をし、心を込めて焼香を捧げました。
こうした場では一つ一つの所作が重要であり、慎重に振る舞うことを心がけました。
代理出席とはいえ、遺族の方々に敬意を払い、少しでも心の慰めとなるような存在でありたいと思う気持ちで行動していました。
他の参列者の方々も一様に静かで礼儀正しく、故人への想いが会場全体を包み込んでいるようでした。
短い時間ではありましたが、葬儀を終え、再び依頼主様への報告に備えて会場を後にしました。
帰り際、受付の方が丁寧に見送ってくださり、
「ありがとうございました」
という言葉をいただきました。
その一言が、少しでも故人のために役立てたのではないかという安心感をもたらしてくれました。
後日、依頼主様に報告を行うと、
「短い時間でしたのに丁寧に対応してくださってありがとうございます」
と感謝の言葉をいただきました。
依頼主様の代わりとして、故人を送り出す手助けができたことは、この仕事の責任とやりがいを改めて感じさせてくれます。
葬儀という厳粛な場において、代理という立場ながらも、ひとつひとつの振る舞いが重要であることを再認識しました。
人々の大切な瞬間に寄り添い、少しでも力になれること。
それこそが、私たちがこの仕事を続ける理由の一つなのだと、しみじみと思う夕方のひとときでした。
2025/02/22
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